ネギよ、そんなに急いでどこへ行く?

最近のネギについては賛否両論、様々な意見が飛び交っています。
特に彼は今、いろいろと「焦っている」「急いでいる」といった印象があります。
「父に会いたい」「強くなりたい」など、さまざまな点で急いでいるように感じます。


元々ネギは、通常の子供よりも早く育っています。
メルディアナ魔法学校の通常7年の教育課程を5年で終え、「ここ十年で一番」だという超をつけられるほど優秀な成績で卒業し、9歳にして中学校教諭の職についています。


しかし、そんなに急いで、果たして彼は幸せといえるのでしょうか。「自らの才能の限界に苦悩する」のはもっと後、思春期でいいはずです。
魔法使いとしての力量を高めることにばかり傾倒しすぎて、何かを置き去りにしているような気がします。


さて、そもそもなぜ、彼は遠く日本に赴くことになったのか。
私は以前、「麻帆良学園が人間界の魔法使いにとっての聖地といってもよい地域であり、人間界の魔法使い集積地域ではもっとも安全と思われるから」という仮説を立てました。
それに加えて、「立場は上でも、年齢相応の人間として成長してほしい」という願いがこめられていたのではないでしょうか。


日本には「10歳の子供が大学に入学する」といった極端な飛び級制度は存在していません。一般的な日本人の感覚では「10歳=小学生」であり、それ以上でもそれ以下でもないはずです。

まほら武道会で彼を見た観客たちは口々に「子供先生」といっています。その心には「なんであんな小さな子が教師やってるの?」という、珍奇の目が見え隠れしています。
「じゃあ、3-Aの生徒たちはどうなのか?」と思うでしょうが、それは「細かいことは気にしない」人たちですから(笑)。

要は「魔法使いとしては第一歩を踏み出したが、一般人はまだ子供と見ているのだ」ということを、魔法学校時代勉強一筋だったネギにわかってほしかったのではないでしょうか。それで、「表向き極端な子供がいない」日本に向かわせたのではないかと思います。


ネギには「教師」とか「魔法使い」としてはともかく、「人間」としては年相応のペースで成長していってほしいと思います。