「敵の目的」が読めない辛さと楽しさ

魔法先生ネギま!」はとかく「先の読めない」作品であると思います。

我々読者が1週間考えた予想も、次の週にはいとも簡単に崩されてしまいます。
そして、謎が明かされるまでは、非常にもどかしい気分にさせられます。


その中でも、最ももどかしい謎。それは、「敵の目的」です。
この作品に於いて、ネギと敵対する者達の目的は、必ずといっていいほどその話の終盤にならないと露見しません。

修学旅行編で天ヶ崎千草が木乃香を狙った目的が、木乃香の絶大なる魔力を媒介にリョウメンスクナノカミを召喚しようとしたこと。
麻帆良祭編での超鈴音の目的が、魔法の存在を世界に公表するため「強制認識魔法」を発動しようとこと。
これらが明らかになったのはいずれも、話の後半になってからでした。
おそらく、フェイト・アーウェルンクスらがゲートを破壊した理由も、明かされるのはだいぶ先のことになるでしょう。


敵の目的・真意がわからない。しかも行動から目的を推測することも非常に困難である。これではどのような行動をとれば相手の目的を阻止できるかがわからず、目の前の襲撃に対処するぐらいの行動しかとることができません。敵の行動に何も対処する術がない辛さ。強くなっただけでは対処できるかどうかもわかりません。

それでも原作は、他にも興味深い話がわんさか出てくるのでまだいいのですが、ドラマだと一本道にするしかないので、見ているのが段々辛くなってきます。

赤松先生がなぜこういったストーリー構成を好むのかはハッキリしませんが、読者としてはこの点が非常に辛く、もどかしく、だけど楽しいのであります。