こんな設定なきゃよかったのに・・・が叶いました

漫画を読んでいると、自分の好きな作品でも「この設定はちょっと受け入れられないなあ・・・」とか「こうだったらよかったのに・・・」と思うような設定がたまにあったりしますよね。

たいていの場合、そういう設定改編は「無いものは作るしかない」ため、ファンが自分でブログや同人誌に書いたりして楽しむ、というのが関の山であることが多いと思います。


しかし、「ネギま!」の場合、メディアミックス作品が作品構造の問題でどうしても別物になってしまう関係上、そこで簡単にそういう改編を見ることができるというのが利点です。

以下にそんな例をあげてみたいと思います。

ネギの性格

原作のネギは父親のナギのこととなると周りが見えなくなる性格です。
ナギの話を持ち出されるといても立ってもいられなくなり、目の前に起きている出来事すら忘れがちになります。

また、10歳の子供なのに苦悩しすぎなネギの姿勢は、時として痛々しくもあります。
主人公でありながら、ファンから全面的に支持を受けているとは言いにくい最大の理由といえるでしょう。

そのため、

  • アニメ1期ではほかのテーマを優先し、ネギがナギを捜している点に関しては極力排除されている。
  • 2期「ネギま!?」ではナギを捜しているものの、まだ分別がある性格をしている。
  • ドラマではナギの話はエヴァとは絡むが、ネギとは一切絡まない。
  • 「neo」ではネギが強くなりたい理由は「皆さんを守りたい」になっている。

(参考:JUNのホームページ「ネギま!のテレビ化はなぜ失敗するのか」網創漠蓄「二人のネギと・・・」
というように、すべてにおいてネギが遠くばかり見ているような性格は薄められています。
特に「ネギま!?」系ではまずは目の前にある「3-Aの担任を務めあげる」ことをちゃんと考えています。


さすがに「年相応の無邪気な少年」とか「少年漫画の王道的な熱血バカ」とはいかないまでも、ある程度は許容できる少年へと変わっていますね。

刹那の出自

原作における刹那は烏族と人間のハーフであり、自分の出自を受け入れてもらえないのではないのか、という不安から、木乃香と距離を置いていたという設定です。

その暗さたるや、赤松先生が108時間目で描こうとして、あまりに暗すぎるがために没にされたというほど重いものです。


しかし、第1期アニメが始まる頃には刹那の人気や木乃香との関係はすでに定着しきっており、人気ナンバー1の刹那を活躍させないわけには、木乃香と刹那をセットで扱わないわけには、いかなくなってしまっていたと思われます。

そのためか、第1期こそ原作に近い形でしたが、
ネギま!?」では「桜咲家は近衛家に代々仕える家柄」という設定が作られ、第1話から木乃香と刹那は一緒に登場しています。
そして、刹那の背中に羽が生えるのは「アーマーカードで強化されたから」というような形になっています。


人気に押されてという形ではあるものの、原作ですら描写がためらわれるほどの鬱展開ですから、よい改変であったと思います。

その他

他にも、明日菜の各種設定とか、亜子の背中の傷なんかもあるんですが、この辺は原作で未解決の事案のため詳しくは書きません。


それにしても、オフィシャルで読者の希望をかなえてくれる「ネギま!」は、サービス精神が旺盛な作品ですよね。